レッスルエンジェルスクロニクル

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Author:カオス
プロレス好き(最初新日派、今はノアも)、WA好き、ファイプロ好き、競馬好き、でございます。
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No.14 Silent Destiny《2年目6月》

“Mid-Japan女子プロレス”のリプレイ&SSです。
多分にカオスの脳内補完が行われた文章になりますので、お付き合いくださいませ。




 いよいよ、やってくる。
 中部国際空港の入国ゲートで、待ち構える僕は少々緊張している。
 少しのプロレスマスコミと共に、彼女の登場を待っている。

 しばらくして。
 メキシコからの便が到着する。入国ゲートに現れる人の中に、待ちわびてた人が現れる。
「ようこそ、名古屋へ」
 僕は握手をしようと、手を伸ばす。
「Mid-Japanのリングに上がれること、本当に光栄だわ」
 彼女は僕の握手に答えたが、目は鋭い光を放っている。
 純白のマスクは、空港の中では、異様にも見える。しかし、リングに上がれば華麗な空中殺法と多彩な関節技、ジャベで会場の観客を魅了する。
 人呼んで『仮面の貴婦人』。
 チョチョカラスが、いよいよ我等のリングに登場するのだ。

「…ということで、AACヘビー級チャンピオン、チョチョカラスが、Mid-Japanに定期参戦することになった」
「おおっ!」
 全員から声が上がる。
「で、誰がチョチョさんと戦うのぉ?」
 優香のネーミングセンスは、ちょっとおかしい。
「参戦することにはなったんだが、今月については我等の実力を自分の目で見て計りたい、ということで、興行には同行するが、リングに上がることはない」
「なんだぁ、ブーッ!!!」
「優香、そういうな。彼女だって、我々の力をじっくりと見てみたいんだ」
「彼女の前で、私たちがすごい、ってところを見せれば、戦ってくれるんだよね!?」
 沢崎が大声で聞いてくる。
「そういうことだ」
「その代わり、って言っちゃ何だけど…」
 大河が口を挟んでくる。
「…何…?」
 伊達が不思議そうな顔で質問する。
「AACタッグチャンピオンのジョーカー・レディ、デスピナ・リブレ組が興行最終戦で防衛戦をやることになったんだ。そのお相手は…」
 大河が、無意味に引っ張る。みんなが次の言葉を待っている。
 大河は伊達に近づき、肩に手を置く。
「チャンピオン、任せたぜ」
「…私…?」
「そうだ」
 僕が大河の言葉を引き継ぐ。
「向こうからのご指名だ。パートナー選びは君に任せる」
「…そう…ですか…」
 Mid-Japanは基本的にシングルマッチがマッチメイクの中心になっている。だから、今まで明確なタッグチームというのは存在していない。
「…じゃあ…私…紫月ちゃんと…組む…」
 伊達はそういうと、氷室に視線を送る。
「…そうね。それも、運命…」
 正直、伊達が誰と組んでもいい試合が出来るだろうと思っている。しかし、伊達が選んだ氷室は、伊達の苦手とする関節技の使い手。自分の弱点をフォローする氷室をパートナーに指名したことは、伊達の戦略が間違っていないことを意味する。
 まあ、優香と沢崎は、精一杯悔しさを表現していたが。

 神奈川県・海老名市運動公園ホール、超満員。
 いよいよ伊達、氷室のタッグベルトへの挑戦だ。
 開幕戦から、タッグチームの完成度を高めるため、二人にはタッグ戦をマッチメイクして、この最終戦への調整をしてきてもらった。
 試合を見ている限り、伊達が氷室を選んだ理由が、正解であったことを証明していた。
 その試合を見ている、チョチョカラスの眼光は日に日に鋭いものとなっていった。

「遥、紫月」
「…はい…?」
 大河が試合前の二人に声を掛ける。
「せっかくのタッグチームだ、チーム名とかあったほうが、お客さんも盛り上がると思うんだけど」
「…大河…さん…、それは…もう…決めてあるの…」
「ほお! そうなんだ! じゃあ、教えてくれよ、それを入場のときにコールするから」
「『Silent Destiny』、静かなる運命…」
 氷室が静かに言った。
「『Silent Destiny』…良いじゃないの! お前達二人にぴったりじゃねぇか」
 伊達と氷室、沈黙の中に秘めた闘志、そして、プロレスに対する自分達の運命…。
 彼女達を表現するのに、これ以上の言葉はないであろう。

 先発は氷室とデスピナ。
 デスピナは氷室をアームホイップで何度も投げ捨てる。氷室は一瞬の隙を突いて伊達にタッチ。
 伊達はエルボー、ショルダータックルをを何度も叩き込んでいく。デスピナは伊達に逆水平チョップを決めて、ジョーカー・レディにタッチ。
 ジョーカーも初来日で、今までの試合でも常に勝利を収めてきた。シングルプレイヤーとしても、一流だ。
 しかし。
 伊達は少しも怯まない。相手が誰であろうとも関係ない。ただ、一心に攻撃を加えていく。
 伊達がジョーカーに強烈なジャンピングニーパッドを打ち込むと、コーナーの氷室を見る。
 氷室は、意を解したのか、何も言わずにリングイン。二人掛りでジョーカーをロープに振ると、見事なWドロップキック。さらにロープに振って、もう一撃!
 もう、何年も組んでいるタッグチームのような動きだ。
 これが『Silent Destiny』の力なのか。
 チャンピオンチームは劣勢と見ると、細かいタッチワークで『Silent Destiny』を翻弄する作戦に出る。
 しかし、伊達、氷室、全く動じない。
 デスピナ、そしてジョーカーにWラリアートを連発! リング上ではそれといったコミュニケーションがないように見えるが、運命で繋がった二人が自然と連携攻撃を繰り出す!
 ジョーカー、デスピナ組も、長年の経験がなせる業、伊達にお返しのWラリアート! 伊達はダウンするが、気合十分で立ち上がってくる。
 そして、エルボーをジョーカーに一撃入れると、氷室を呼び込む。
 そして、伊達がジョーカーを持ち上げると、氷室が足をホールド。
 Wパイルドライバーがジョーカーの首をへし折る! そのままフォール!
「ワン、トゥー…」
 ブライアンがマットを叩くが、デスピナがカット! Wパイルドライバーは完璧に決まっていたが、それだけでは決着しない。これが、タッグマッチの面白さだ。
 ジョーカーはデスピナとタッチするが、デスピナもかなりのダメージだ。
 タッチしていた氷室が隙を見逃さない。
「これで決まり…。運命が導く『アルテミススリーパー』!」
 氷室は呟くと、デスピナの首を脇の間に入れて、一気に絞め上げる!
 ドンドン体力を奪われていくデスピナ。たまらずジョーカーがカットに入る。
 しかし、これで完全にデスピナの動きが止まる。
「これで、終わり…」
 ロープにデスピナを振ると、打点の高いドロップキック! 顎にヒットして、そのまま倒れる。それを見て、氷室渾身のエビ固め!
「ワン、トゥー…」
 ブライアンが、笑みを浮かべて一気に右腕を振り下ろす。
「スリー!!!」
 快挙! タッグ結成して間もない『Silent Destiny』が、AACタッグチャンピオンを撃破。興奮した観客は鉄柵まで集まり、二人に声援を送る。リング上の二人は、ベルトを腰に巻いて、恥ずかしそうに片手を上げて声援に答えている。

 AACタッグ選手権試合
 【王者組】×デスピナ・リブレ&ジョーカー・レディ(28分58秒 ドロップキック→エビ固め)氷室紫月○&伊達遥〔Silent Destiny〕【挑戦者組】
 初代王者組が1回目の防衛に失敗、挑戦者組が第2代王者組となる

 僕はリング上の二人に、感動の拍手を送る。ふと、隣を見ると、悔しそうに唇を噛み締めるチョチョカラスがいた。マスクの中の瞳は燃え上がっているのを感じる。
 チョチョカラスが、このMid-Japanのリングが『本物』であることを、しっかりと感じ取ったことであろう。
 新興勢力だからって、舐めて掛かると飲み込まれる。
 『仮面の貴婦人』の本気を導き出した二人のファイトに、僕は再度大きな拍手を送った。



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