レッスルエンジェルスクロニクル

PS2ソフト『レッスルエンジェルスサバイバー』のファンサイトです。リプレイ・SSを中心に紹介していきます。

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Author:カオス
プロレス好き(最初新日派、今はノアも)、WA好き、ファイプロ好き、競馬好き、でございます。
以後、お見知りおきを…

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No.25 希望の春だ《3年目4月》

“Mid-Japan女子プロレス”のリプレイ&SSです。
多分にカオスの脳内補完が行われた文章になりますので、お付き合いくださいませ。



「そうか…わかった。仕方がないな」
 僕は受話器を置くと、大きな溜め息をつく。
「やはり、駄目か…分かっちゃいたが…」
 大河が首を項垂れる。事務所を重い空気が支配する。
 旗揚げから選手を送り続けてくれたAACから、契約打ちきりが打診されたのは、一週間前。メキシコのマット界が、新興勢力の台頭により老舗のAACも興行的にピンチに立たされているらしい。そこで、一旦主力選手をメキシコに引き上げて、本国での試合に力を入れたい、ということを、AACの社長からのホットラインで聞かされた。
 そこから、AACのスタッフ・選手に連絡を取って日本への残留を説得したのだが、やはり決定が覆ることは無かった。
「ま、AACがまたメキシコでイチバンの団体になったときには戻ってきてくれる、そういう約束は取り付けた訳だし…」
 大河は、そうは言いながらも、寂しそうな表情だ。AACとの提携で尽力したのは大河だったので、この結果には落ち込んでいる様子だ。今回もこの一週間、メキシコに連日電話をして説得に当たってくれていたのでなおさらだ。
 RuRuRuRuRu…!
 僕の携帯電話が鳴る。ディスプレイには意外な人物の名前が表示される。
「ボス…」
「チョチョカラスか…!」
 チョチョカラスは僕のことを日本の『ボス』と呼んでくれている。Mid-Japanに参戦し始めた頃は、外敵という近寄りがたい雰囲気すらあったが、シリーズへの参戦を重ねるに連れて、Mid-Japanの空気にも馴染み、ある種の連帯感を持って僕達に接してくれている。
「ボス、申し訳ない…」
「いや、仕方が無いよ。君達がMid-Japanのリングに上がっている間に、本隊がやられてしまっては
元も子もないから。君達のボスの判断は正しいと思う」
「今月のシリーズ参戦が最後。私は寂しい…」
「…最後に僕の願いを聞いてくれないか…」
「ボスの願い…?」
「最後にもう一度、遥とベルトを賭けて試合をしてくれないか」
「遥と…」
「そうだ。遥はこの何ヶ月かでさらに力をつけている。遥に最後のチャンスをやってくれないか」
「それは構わない、試合をしても良い。でも、私だって負けるわけにはいかない。ベルトを持ってメキシコに戻って、メキシコのファンの前で試合をしなければ…」
「もちろん、負けてくれ、なんて言ってる訳じゃない。遥が勝てればそれでよし。負けるにしても、その悔しさを力にさらに強くなることが出来る。遥が団体を背負えるかどうか、君に査定して欲しいんだ」
「…OK。私だって、簡単に負けるわけにはいかない、『仮面の貴婦人』の名に賭けてね」
「そうだ、君はそういう自信たっぷりの言いっぷりが似合うよ」
「意地悪を言わないで、ボス…」
 こうして、チョチョカラスと伊達遥の3度目のタイトルマッチが決定した。

 福岡県・博多ギャラクシーレーン。会場はチョチョカラスほかAACの選手達の最後の戦いを見ようと、超満員札止め。前座の試合からAACの選手達にも、大きな声援が飛んでいた。
 そして、メインイベント。
 AACヘビー級選手権試合60分一本勝負。
「青コーナーより、挑戦者、伊達遥入場!」
 大河のコールで伊達が入場する。リングに上がると、赤コーナーの入場口を鋭く凝視する。
「青コーナーより、AACヘビー級チャンピオン、『仮面の貴婦人』、チョチョカラス入場!」
 大河のコールに会場の声援も一段と大きくなる。これで当分の間、チョチョカラスの勇姿を見ることが出来ない、と解っているファンは、Mid-Japanの選手に贈るそれと同じ、いや、それ以上の歓声でチョチョカラスを迎え入れる。
「…ありがとう…」
 ブライアンがボディチェックをする間、伊達はチョチョカラスから視線を外すことはない。チョチョカラスもじっと伊達の顔を見つめたままだ。

「…ゴングッ!」
 二人とも間合いを取ったまま、相手の様子を窺う。伊達は体勢を低くしたまま、チョチョカラスは軽くステップを踏みながら、リングに円を書くように動く。観客もこの様子を固唾を呑んで見守る。
「行きますッ!」
 伊達が叫ぶと、一気に間合いを詰めて組み合う。そして、ロープに振り飛ばす。そして、帰ってきたところにエルボー。
 チョチョカラスはその勢いで、ロープに自ら飛んで伊達目掛けてドロップキック。エルボーとドロップキックの応酬が続き、最後チョチョカラスのドロップキックが伊達にヒットしたところで間合いを取る。観客からは大きな拍手。
 伊達がエルボー、ショルダータックルで連続攻撃を決めれば、チョチョカラスもドロップキック、アームホイップで迎撃。どちらも一歩も引かない。
「30分経過!!!」
 大河のマイクで試合時間が告げられると、会場からはさらに大きな歓声が上がる。
「…そろそろ、決める…!」
 チョチョカラスが伊達を投げ捨てると、ロープに飛んで助走をつけたギロチンドロップ!
「まだまだよ!」
 もう一度ロープに飛んでギロチン2連発! そして、リング中央で倒れている伊達をそのままにして、ニュートラルコーナーに駆け上る! 会場は大歓声に包まれる!
「日本のファンのみんな、これが最後よ!」
 コーナートップから前転を加えて、伊達に目掛けて体をぶつける。『神の雷』ムーンサルトプレス!
「ワン、トゥー、スリ…」
「まだ、終わらせない!」
 ブライアンの右手がマットを叩く瞬間に、伊達が肩を上げる。
「これで、決まらないなら…これなら、どう?!」
 チョチョカラスが伊達を無理やり立たせると、その場で飛び上がり伊達の後頭部に蹴りを放つ! 伊達のフェイバリットホールドの一つ、エンズイギリだ!
「!!!」
 伊達は、驚いた表情を見せて、そのままマットに崩れ落ちる。
「今度こそ、これで3カウントよ!」
 チョチョカラスは再びコーナートップに登る。会場中を見回し、口元に笑みを浮かべる。日本への惜別の気持を込めて。
 そして、チョチョカラスは再び空を舞う。しかし…!
「私は、あなたを、超えるんだッ!」
 伊達は、膝を突き立てて待ち構える。勢いのついたチョチョカラスの身体は制御不能だ。
「NO…ッ!!!」
 チョチョカラスのボディに伊達の膝が突き刺さる! 悶絶するチョチョカラス!
 息を吹き返した伊達は、立ち上がるとチョチョカラスのマスクを持って立ち上がらせる。そして、ニーリフトをチョチョカラスの腹に叩き込む! うずくまるチョチョカラスをおいて、伊達は間合いを取る。
「遥、ここまで成長しているとはね…」
 チョチョカラスが立ち上がろうと、立ち膝を突く。その瞬間…
「これで、決める…!」
 伊達がチョチョカラスの膝を足場にして、側頭部に膝を叩き込む! 『不死鳥の咆哮』ローアオブフェニックス!!!
「ワン、トゥー…」
 一瞬静まり返る会場。ブライアンのカウントが響き渡る。
「スリー!!!」
 試合終了のゴングと共に、会場が歓声と拍手の大音響で包まれる。興奮した観客がリング下に駆け寄る。
「ありがとう、ついにあなたに勝てた…」
 伊達がチョチョカラスの手をとって立ち上がらせる。その目には光るものが見える。
「強くなったわ、遥。あなたがチャンピオンよ…」
 チョチョカラスは握った手を高々と上に上げる。そして、ベルトを伊達の腰に巻く。
 リングの中央でベルトを巻いた伊達がマイクを握る。
「チョチョカラス、今までどうもありがとう。あなたに勝ちたくて、今まで頑張ってきた。そして今、その目標を達成することが出来た。こうして、ベルトを巻くことが出来た。でも…」
 そういうと、伊達は腰に巻かれたベルトを外した。
「このベルトは、あなたのものよっ!」
 観客、選手、スタッフ、そして、チョチョカラスも驚きの表情をしている。
「あなた達AACは、これからメキシコで再びトップの団体になるために、母国で厳しい戦いをしていかなきゃいけない。その時に、このベルトはメキシコ最強の証としてあなたの腰に巻かれてなきゃいけないの。そして、メキシコの強敵たちを倒して、このベルトを防衛し続けて、再びメキシコのトップに立った時、このベルトを持って、もう一度Mid-Japanのマットに上がって欲しいの!」
 会場は静まり返って伊達のマイクに聞き入る。
「そして、社長!」
 急に話を振られたので、僕は驚いてしまう。
「AACのチャンピオンの魂も込めた、Mid-Japanのベルト、作ってはどうですか!」
 会場からは大歓声。僕はあわててマイクを握る。
「…えー、そうだな。Mid-Japanの最強の明かし、そして、世界に通用するレスラーの称号として、ベルトを作ろうじゃないかっ!」
 勢いで言ってしまった。これだけの観客の前で約束してしまったんだから、やらざるを得ないな…。
 チョチョカラスがマイクを握る。
「フッ…カッコいい事を言われてしまったな…。では、このベルト、少しの間預からせてもらう。遥の言った通り、このベルト、メキシコ最強の証としたときには、再び名古屋に戻ってきて、遥、あなたとMid-JapanとAACのベルトを賭けて戦わせて貰おう。その時に、あなたがチャンピオンでなかったら、このベルトの価値なんて無いに等しいわ。遥、必ずあなたがチャンピオンでいるのよ!」
 そういうと、二人は握手を交わし、そして抱擁をする。
 その姿に、僕は一生懸命拍手を送っていた。

 AACヘビー級選手権試合 60分一本勝負
 ×【王者】チョチョカラス(39分24秒 ローアオブフェニックス→体固め)伊達遥【挑戦者】○
 王者が防衛に失敗、挑戦者が王者となるも返上




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